胡散臭い話が書きたい。
そう思ってたら夢を見たんだぜ。
だからメモメモ。
あ、ちょうパラレルチックだよ
そう思ってたら夢を見たんだぜ。
だからメモメモ。
あ、ちょうパラレルチックだよ
人は戦争に翻弄され続けているのか。
それとも戦争が人に翻弄されているのか。
運命は支配しているのかされているのか。
(古い、彼の記憶)
賑わう市場、道の端に蹲る子供、路地裏で秘密裏に行われる取引、面倒そうに歩く役人。
どの時代でもどこかに存在している光景。
砂漠の真ん中にあるこの村でも、それは変わらなかった。
ひそひそと囁かれる声が道端でも聞こえる。
「…が、軍を抜け出したらしいよ」
「それ、本当かい?」
「さあ…なにせ噂だからね、アテにはならないけど」
耳にする話の真理は確認できるはずもなく、話題程度に耳に留める。確認しようにも村を出なければ確認出来ないのだ。噂は外からやってくる商人に聞いて、それが人から人へと伝うもの。その間に真実は少しづつ歪められてゆくのもまた然り。
砂漠を越えるには物資が必要だ。そのために必要なものは、金さえあればほとんどはこの村で手に入る。故に砂漠越えの旅人でこの村は賑わっていた。逆に言えば、旅人が居なければこの村は廃れていただろう。
そして今日も、旅人が砂漠から村やって来る。少々身長差のある二人組だった。
「やっと村に着いたな」
「疲れたー。食料も調達しとかないと、もうあんまり無いぜ?」
「それよりも今夜の宿を探しとかんと」
砂と日照りから身を守るために身に付けているクリーム色のマントがはためいた。
この砂漠をここまで来たというのに、ラクダの姿は無い。どうやら個人の足で砂漠を越えようとしているらしい。
旅の二人組はとりあえず、腹ごしらえのために飯屋へと入った。
「お客さん達、旅の人かい?」
店主は二人の姿を見て気さくに話しかけてきた。
「ああ、今ここに到着したんだ」
「そうかい。ようこそ我が村へ。少しの間だろうけどゆっくりしていきなよ」
「ありがとう」
身長の低いほうがマントのフードをとりながらお礼を言った。
焦げ茶色の髪色に金色の瞳の、青年というにはまだあどけなさの残る少年だった。
背の高い方がフードの中から顔を現すと、こちらは赤髪である。少し長めの髪を後ろで結わえていた。額には切り傷のようなものが見て取れる。目も髪と揃って真っ赤な色をしていた。店主が物珍しそうな目を向けると青年は人懐こい笑顔を見せた。
「赤い髪は珍しいか」
「あまり見かけない髪色だなと思ってな。こっちの若い兄さんは目の色が金か。あんた達、芸役者か何かか?」
「ま、似たようなもんだ」
「なあ頼んでいいか?俺、これとこれと…」
「え?あ、ああ」
店主はまだ話を聞きたそうだったが、少年が空腹に耐えかねて会話を遮ってしまったため本来の仕事に戻らざるを得なかった。料理を作るため、厨房へと戻って行ったのを見届けてから青年が小さく笑った。
中略
「…思ってたよりも早かったな」
「ん~…もうちょい眠りたいぃ…」
剣を眼前に突きつけられて尚、二人は緊張感など全くと言っていいほど感じていないらしい。
少年は眠そうに目を擦った。
「ほんとしつこいなー。昨晩は全然寝とらんのに…」
「誰の所為だ、誰の」
まったく自分のペースを乱さない二人に毒気を抜かれながらも、騎士のリーダー格らしき人物が叫んだ。
「我がアフィリオス軍の英雄こと闘神ユーズ。なにゆえ貴殿が聖戦軍クローターのパラディン、MZDと行動を共にしている!」
道端で囲まれながら高々と叫ばれる言葉に道行く人は息を呑み、次々と立ち止まった。
人ごみを掻き分けて、黒い服を着た少女が最前列へ躍り出る。
「! ユーズさん、MZDさん」
目の前の光景に少女は凍り付いてしまい、声が出ない。
「答えろ、闘神ユーズ!」
「面倒になったから軍を辞めただけやねんけど」
「め、面倒だと!?」
「上に同じくー」
脇に抱えられた少年からのんびりとした声が漏れた。
キッと鋭い視線が向けられても、決して二人は動じない。
「あんな戦争、バカバカしくてやってられないっつうこと。人を殺すこと自体目的になってるような時点でもう、戦争の意味はない」
「思想の食い違いくらいで喧嘩するなよ、子供かっつうの。」
MZDはユーズの腕から抜け出して地面に降り立った。
戦争を、その意義を否定されて騎士の顔が憤怒によって赤くなってゆく。
「人はいつだって無駄な戦争しかしないな」
「あんな無駄なこと、もう付き合ってられるか。だから俺らはもう」
「加担はヤメたんや」
「…こっ…」
騎士が奥歯を噛み締め、剣を振りかざした。
「殺してくれる!」
二人を囲んだ数十人もの兵が一斉に剣を抜いて前に踏み出した。
その切っ先が二人へ向けられる。
「…もうええやろ」
「ああ、じゅーぶん」
突風が運んだ砂の所為で視界が突然遮られた。少女が顔を覆い、風が治まってから手を退かすと砂塵の中に一瞬、鈍く光り輝くものが。
「あっ」
青年、ユーズの右手にはかつて〝聖剣〟と崇められた、碧い
少年、MZDの右手にはかつて〝聖弓〟と祀られた、紅い
「神を敵に回そうとはいい度胸だ」
「己が過ち、正す気が元より無いのなら」
「「その愚行、我が止めてみせよう」」
とりあえず書けたとこだけ。
もうね、めっちゃパラレルだよね
イメージ的には紀元前10世紀頃~くらい。
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