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ニクスと英利

・血液乱舞
・ダウナー
・英利がマスターズ=殺し屋
・ニクスが素で殺人者

甘くないけど甘い すげー暗い
血みどろなのは趣味です。すみません。

聞いてる曲があれだから











見慣れたオレンジがかった金髪を視界の端に捉えたから走り出した。
時刻は午前1時、こんな時間にあいつがいるなんて少し考えにくかったがちらりと見えた路地裏に吸い込まれるように消えた色があまりにあいつに似すぎていて追いかけずにはいられなかった。
路地裏を曲がる。更にその先の角にまたその色が見えた。追いかける。追いかける。どこまでも、あの色を追いかける。

がしゃ、と不意に音が聞こえた。さきほどオレンジ色が曲がったその先から、その音は聞こえた。
息はとうに切らしていた。気にはならなかった。ただ、早く近づきたかった。早く。
曲がった。見えた。暗がりの光景が。
オレンジ色はコンクリートの壁に押し付けられ、肩に小振りのナイフが刺さっていた。
目の前が真っ白になったと気づいた次の瞬間、俺はそいつと取っ組み合っている男の頭を殴り飛ばしていた。男は、地面に倒れたあとは動かなかった。
「…あれ?なんでいるんだ」
英利は不思議そうな顔をしている。いつも来ている緑色の上着ではなく、闇に紛れる黒いコートだった。
「お前の髪色がちらっと見えたから」
自分で処理しようとした英利を牽制して肩のナイフを引き抜く。相手のポケットを探り、見つけたハンカチで止血をする。
引き抜いたナイフは英利の血液に塗れていた。これをそのまま使用するにはもったいないように感じて、刃に付着していた血をべろりと舐めとる。
「…血なんかおいしくないだろ?」
世間話をするような声色で英利が問う。この行動を異常としてとられないことこそが異常だと自覚はしているが日常生活に支障はないのだから構わないだろう。
俺は寝そべっている男のわき腹を蹴り上げた。呻きながら意識を取り戻した男にもう一度蹴りを鳩尾にくれてやる。ぐうっと声を上げた男は横向きになってしまったものだからこんどは腕を蹴り上げて両足で踏みつけた。
これでやっと、目当てのところにこれを落とせる。
「お前の血液がついたまま」
俺は手中のものを、切っ先が下になるように持ち上げた。場所を定める。俺から見て、男の右胸にピンポイントで落ちるように。
「こいつに使うのは」
男はもがいた。けれど両腕は俺の足の下、動くはずも無い。
「…もったいなくて」
握力をなくした手から滑り落ちるように、それは俺の手を離れて重力に従順に従った。
ドスッという鈍い音。思っていたよりもナイフが軽かったせいで臓器には届かなかったらしい。男は痛みに悶えていたが絶命はしていなかった。
「早く逝けよ」
これ以上よく知りもしねえ奴が無様に動いているのが耐えられなくて、俺は足でナイフを踏んだ。
面白いくらいに食い込む凶器が刃を根元まで飲み込まれたころには、男の息遣いは消えていた。

「仕事だったんだろ」
「うん」
英利の唇を奪うと鉄の味がする、といわれた。
「当たり前だろお前の血なんだから」
「へえ、俺の血ってちゃんと鉄の味がするんだ」
知らなかったな、と奴はぼやく。ぐっと腰を押し付けると英利の身体が跳ねた。
「…も…こんな硬いなんて…」
「コーフンしちまった」
「殺しは興奮するって言うしね」
「ちげーよ。お前の血の味に」
腰に手を回してズボンの中に手を差し込む。俺をいつも受け入れているところで指を遊ばせると英利は俺のジャケットにしがみついてきた。
「……ここで…?」
焦らすようにそこを往復する指に俺の意図を悟ったのか涙を浮かべて見上げてくる。
「我慢できねえよ」
ベルトを外して英利のズボンと下着を地面に落とした。路地裏はあまりに都合が良すぎるほど暗くて、人ひとりさえ通らなくて、絶好すぎる。
「っ……は、ァ」
英利自身を舌で追い詰めて、後ろを指でほぐすのもそこそこに足を抱えて俺を押し込んだ。
「い、っぅ…」
「いてぇか?」
「…いい…動いて…」
そこからはただ盛った犬のようにめちゃくちゃに英利を犯して。
声を上げないように堪えている英利がやたら扇情的だった。
真っ赤にそまったハンカチがひどく旨そうだったのをぼんやり覚えている。

「…早……」
「お互い興奮してたってことで。」
「殺しに?死体に?」
「血に」
ネクロフィリアじゃねーんだから、と笑えない冗談で笑った。
お前の死体なら別だけど、と言おうか迷って、やめた。











まだ増やす気なら片っ端から行くしかないだろうという、上から目線の誰かさんが下した結果。
全てを終わらせないために誰かの終わりを誘導する。

それが○○○○だから。
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