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もう…何も言いません(´=ω=)
オリジナルってのは楽しいもんだ。
RSは大好きだ。もちろん健全な意味でもな!








部屋に添えつけられたファンが天井でゆっくりと回っていた。
窓から入った風が肌を擽る。すでに俺の目は開いていた。
ふと指がちゃんとついているか心配になって持ち上げると、しっかりと爪まで付いていた。グローブは手から外されていたが。
グローブだけじゃない、他の装備品も全て外されていた。首を回して辺りを見回すと、開いたクローゼットにそれらが全て仕舞われていた。部屋は驚くほど静かだった。都会の喧騒も聞こえてこない。…ここはどこだろう。
「目が覚めたか」
扉を開ける音がした方向を向くと、ビショップの姿をしたキラーが入ってきた。
「キラー?どうしてここに」
「レオから急に連絡を貰ってな。お前が怪我をしたから来てくれと頼まれた」
「レオ…が」
助けられた時の記憶がフラッシュバックする。俺は地下の薄暗いダンジョンでモンスターに囲まれた。利き腕を負傷して戦えなくなった。そうだ、そこで…
「右腕は骨折していたから治療しておいた。出血していた傷ももう塞がったはずだ、大丈夫か?」
「ん、平気。ちゃんと動くよ」
「そうか。レオももうすぐ戻ってくるだろうから少し寝ているといい」
「なあ、どうしてレオは俺の居場所がわかったんだろう。俺はアイツに何も言ってないのに」
キラーはああ、と頷くとベッドの端に腰掛けた。
「お前に依頼してた男を問い詰めたら漸く吐いてな。砂漠の真ん中にある隠された地下空洞にいる魔術師から宝石を奪取してくれと頼まれたんだって?大変だったな」
「どうしてもって頼まれてな、無理やり前金も握らされたから仕方なく…」
「受けたってわけか。結構お人好しなんだなお前は」
「俺の実力的にも少し劣ったけどそれよりも向こうが罠を仕掛けててな、出口をモンスターで固められてたのが痛かった。極秘だったから誰かと行動するわけにもいかねーし、でもあそこで了承して行っちまったのはもっとまずかったな。迷惑かけて、ごめん」
「その言葉、あいつにかけてやれ」
静かに開いたドアの向こうに、彼が立っていた。
「キラーもういい。助かった」
「ああ。また何かあったら連絡くれ。手が空いていればすぐ駆けつける」
俺の髪をくしゃりと一度かき混ぜてじゃあなと言うと、キラーは部屋から出て行った。閉じられたドア、部屋の中には俺と奴の二人が残された。
戦士は俺の顔を見たが、俺は反射的に目を反らしてしまう。コツコツと靴と床のこすれる音が近づいて来た。俺の身体に影ができる。顔を上げると戦士が俺の上に覗き込むようにして覆いかぶさっていた。
「うわっ」
おもわず起き上がる。バランスを崩しそうになると戦士が背中に片腕を回して支えた。
「起き上がれそうだな、これを飲め」
渡されたコップの中にはアイスココアが入っていた。
「…りがと…」
受け取ると戦士はもうひとつのベッドに腰掛けた。一口ココアを口に含むと、甘みが身体に染み込んで行くようだった。
「もう身体は平気なのか?」
唐突に声をかけられて身体が強張る。とりあえずこくりと一度頷くと戦士はそうかと呟いた。
「お前の持っていた宝石は無事だ。あとで依頼人に渡すといい」
「そ…か。さんきゅ」
俺達の間に微妙な空気が流れる。俺は気まずくてただココアを口にしていた。けれどそのココアも底を付くと、棚にカップを置くしかない。なにか言わなきゃいけないと思って振り返ると、ぱしりと腕を掴まれた。
「へ」
「骨が折れたってのはここか?」
右腕をとってゆっくりとなぞる。俺は戦士の意図が掴めなくてただ頷いた。
「そうか」
そういうと戦士が腕に顔を近づけて――
「!!」
唇が触れた。どこにだって?俺の腕だよ、腕。腕の内側の薄い皮膚のとこの。
「ちょちょちょちょなにやってんの戦士!」
「治ったか確かめてる」
「そんな確かめ方あるかああああ」
「気にするな」
「うあ、ちょ」
牽制するように立てられた歯の感触が生々しい。ちろりと触れた舌の熱さに思わず腕を引っ込めたくなった。戦士の突然の行動に俺の身体も頭も付いて来てくれなくて、ただその行為が一秒でも早く終わってくれるのを待つしか無かった。ぎゅっと目を閉じてその様子を見ないように、ただじっとしていた。不意にピリッとした痛みがそこに走って、思わず目を開ける。
「リュウ」
「うわ」
視界が反転したと感じた時、俺はベッドに仰向けに寝かされていた。俺の上には真顔の戦士。俺の顔の横に手をついて覆いかぶさっている。まともに視線が絡み合ってしまって反らそうなんて思いも付かない。
「な、なに」
心臓の鼓動の高まりを感じながらもそう問うと戦士は真剣な顔を崩してふっと笑った。
「え…」
「生きててくれて、良かった」
頬に手を添えられて、撫でられる。そういえばそこには矢が掠めた怪我をしたなと思い出した。もちろん今はキラーの治療で傷は塞がってこそいるが戦士はあの時の俺を見ている。動かない俺を見てどう思ったんだろう。きっと俺を抱えた時に骨折も腕の怪我も全部知ったはずだ。
「あそこに乗り込む前にキラーに連絡を取っといて良かった。もしかしたらと思ってな、迎えに来てくれるよう頼んだんだ」
「お前を抱えた時に動かなかったからもう手遅れかとも思ったんだぞ、…間に合って本当に良かった」
戦士は俺を抱きしめるとごろんと横になる。
「せ、んし…もいっこベッド、あるから」
「今日はここで寝てもいいか」
放す気なんてないのだろう、俺を抱く手に力が篭った。仕方なく俺は頷く。
「目が覚めたら依頼人のところに一緒に行こう。ああ、その前に飯を食わなきゃな。何が食べたい」
「…戦士と行くと食欲失せるからやだ」
「そう言うなって。すぐに慣れる。それよりお前、また戦士って呼ぶなよ」
「…呼ばねえよ名前は」
「さっき呼んだのにか?」
「呼んでない」
「呼んだ」
「呼んでない」
「意地っ張り」
それでも戦士は楽しそうに笑っていた。そういえば戦士が笑ってるところってちゃんと見たこと無かったな。
あんなことがあって一度は死を覚悟したけれどまたこの時間が戻ってきた。
こういう問答の時間が楽しいと感じる。言わないけど…戦士、さんきゅ。









この事件をキッカケにシーフはだんだん戦士に惹かれはじめる。とか
戦士はシーフを振り向かせようと必死なんです、ホントは。顔には出さないけど頑張ってます。もちろんシーフを自分から奪おうとした例のモンスター達はシフが気を失ったあと全滅させました。(笑
この男を怒らせると怖いんですってことでw
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