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死ネタ大好きベーカーでぇすー。ちゃーらーちゃっちゃらー
今度は土方君デッドバージョン。無駄に長い。
実はコレただのネタです 前のブログに置いてたもの。
だから台詞ばっかり説明文も適当。それでも良い方は続きでどうぞ。


更新:インデックスページにいろいろ貼らせていただきました。




花束は俺の元へ返っては来なかった。


「マジ、意味ねぇよ」
ひらひらと誰だか知りもしねぇ奴の墓にはちゃんと花を手向けてやるってのによ。
「なんで俺の墓にはくれてくれねぇんだ」
「それどころか俺にてめえの墓へ手向けろってか」
「馬鹿だろ」
まじおかしいよなんで俺泣いてるんだよてめえの所為だよなあなんで俺を置いていっちまったんだよ?
「置いてかれるのは勘弁してくれよ」
「置いてかねえって言ったじゃんかよ」
「連れてってくれるって約束したじゃん土方よォ」
面白いモン見せてくれるって言ったじゃんかよ
「信じた俺が馬鹿だったよ」
一番良いモン見せてくれるって言ったじゃんかよ
「てめえとなら」
天国にだって行けるって信じてたのによォ



…あァ、そういうこと。


「沖田さん!」
「あ…万事屋の」
「銀さん知りませんか?」
「旦那?」
「今日家に帰ったら机の上にお金が置いてあったネ」
「…それで」
「一緒に入ってた紙に『今までの給料分だ』って」
「とんでもない額だったアル」
「…」
「それで沖田さん何か聞いてないかと」
「…すぐ手配させまさァ。…ちと気になる場所があるんで」
「…まァ、無理かもしれませんが、ね…」



「連れてってくれるだったけどさー、俺、勝手に付いてっちゃうのもアリかなぁって」
『土方十四郎』
「おめーは何の花が好きだったかなァ…しらねえや」
はたりと置かれた白くて小さな花がたくさん付いている植物
『幸福』の目印
「俺と一緒に…どっかイイトコ連れてってくれや」
銀時の口の端から赤い液体が垂れた。それと同時に地面にぱたと血が垂れた。
土方の墓に寄り添うように、銀時は横になって微笑んだ。手に握られた土方の形見の刀から銀時の鮮血が滴っていた。

手向けられたスズランの花が、血で濡れた。




「…やっぱり」
「…銀さん…」
「銀ちゃ…」
酷く綺麗に微笑んで
どうしてそんなに幸せそうなの?
「輪廻は断ち切らなきゃいけねぇ…」
沖田が触れた銀時はまだちょっとだけ温かくて
致命傷となった傷を撫でてみるとまだ血液が沖田の手に付いた
なんて美しい
「さぁて帰りましょうかねぇ」
自分より大きい銀時を軽々と抱き上げて 沖田は軽快に言った。
「銀さんは?」
「俺があずかりまさァ」
「悲しくないアルか?」
「悲しい?」
振り向いた沖田はただ静かに笑って
「居るべきところに、行きたいところに旦那は行っただけでさァ」



銀さんの葬儀代は真選組の人が全部出してくれた
葬儀にはたくさんの本当にたくさんの人が来てくれた
これだけこの人は愛されてたんだよね
でもこの人から本当の愛を貰ってたのは一人だけだったんだよね
「…ちょっと土方さんが羨ましいです」
「ちょっとどころかかなり羨ましいでさァ」
「俺たちみんな銀さんに惚れてたのになぁ」
「ああ、なんだ気づいてたのか」
「そりゃあ気づくよ」
「皆、ベタ惚れだったのにね」
「本人は全く気づいてませんでしたね」
「一人しか、見えてないからだろ」
「良かったのかね」
「何が」
「好きにさせなきゃ銀時じゃないさ」
「自由があの人の代名詩だったからね」
「良かったんでさ…俺達が生きてりゃまたいつか会える時だってくるかもしれませんぜ」
「そんときゃー土方には負けたくねーな」
「というか負けないアル」
「当たり前」


銀さんの遺骨は土方さんのお墓に一緒に埋葬された。
ずっと一緒に居られたらいいですね、銀さん。






「…ぃ、オイコラ銀時ッ」
「あだっ!殴ることないじゃんか!」
「何してんだって聞いてるんだよ!ったく折角人が待っててやったってのに…」
「俺がわざわざ追いかけて来たんじゃんかー」
「部屋でメソメソメソメソしてたのはどこのどいつだか」
「きゃーストーカーがいるー!おまわりさーん!」
「俺がそのおまわりさんだ!」
「あ、そうだったっけ」
「ったく…そんなことよりホラ」
「ん?なにこの手」
「今度はちゃんと連れてってやるよ。だから離さないようにちゃんと握ってろ」
「……」
「…あんだよ」
「…え?や、あの」
「照れたのか」
「ちっげぇぇよ!これはアレだ、えっと」
「どうだっていいから、ホラ」
「しゃーねーなー」

ぎんさん



「…?」
「どうした?」
「…俺ってさぁ、愛されてるね」
「は?」
「お前にも、あいつらにも」
「ま、これで晴れて俺たち二人きりになったけどな」
「下心見え見えでーすー」

ぎんさん
一緒に居られたらいいですね


生きてれば また会えるかもしれませんし、ね?





「…そういうこっちゃ」
「ホラ行くぞ」
「はいよー」
銀さんと土方君はしばらくふたりで旅に出ます。
面白いものを見つける旅です。
案内人は土方君。俺は旅行者です。
いつかきっとそのうち帰ってくるんで
首をながぁくして待っててね。

何年かかるかわかんないけどさ
見たいものぜーんぶ見たら 一緒に帰ってきます。
こんどこそ、一緒です。ずっと。










「おや」
「ああ沖田さん。お久しぶりです」
「こうやってちゃんと会うのは何年ぶりですかねぃ」
「神楽ちゃん元気にしてますか?」
「あいつはどーも料理が下手でいけねぇや」
「まあ、お世辞にも上手いとはいえませんね」
「そっちはどうなんですかィ?」
「道場もそこそこ繁盛してますよ。姉上も近藤さんと相変わらず家でドタバタしてるけどもう夫婦になりましたしね」
「ま、お互いぼちぼちってとこですかねィ」
「沖田さんは副長のままなんですね」
「俺ぁあの人の下で働くのが性にあってるからねぃ」
「神楽ちゃんも副長夫人だし、名前で呼ばないほうがいいですかね?」
「そんなことしたらあいつ、怒りまさァ」
「そうですね」

「ずるいぞぎん!それは俺の竹とんぼだ!」
「いいじゃんかちょっとくらい!としのけちんぼ!うわっ」

ドンッ

「お」
「あ」
「大丈夫かィ君?」
「大丈夫ーごめんねおにーさん」
「いや気にしな…」
銀色の髪の毛 甘い匂い
「あーぎんが人にぶつかった!いーけないんだー!」
黒い髪 目つきの悪い子供のくせに男前顔

「…銀…さん」
「土方さん…」

「としがおっかけてくるからだろ!」
「俺のせいにするなんて酷いよ!そういうのをセキニンテンカって言うんだよ!」

「お前さんたち…名前は」
「俺、ぎんとき!」
「俺はねぇ、とうしろー!」
『おにーさん達は?』
「…沖田、総悟でさァ」
「…志村新八です」
「ふぅん?あっ!メガネのおにいちゃん知ってる!道場やってるでしょ!強いんだよね?」
「俺こっちのにいちゃん知ってる!しんせんぐみふくちょーなんだ!」


生きてりゃ また会えるかもしれないでしょ?





「…ハハ」
「まさか、ホントに…」
「え?」
「なに?」
「なんでもないでさァ。お前さんたち、これをやろう」
「あ!ちょこれぇと!」
「えーおれあまいのやー」
「おいしいのに!」



こんどこそ一緒に ね





「せんせー!新八せんせー!」
「なに?銀時」
「稽古!稽古つけて!」
「じゃあ総悟せんせー俺の稽古つけて!」
「昨日してやったばっかりじゃないかィ十四郎」
「だって俺達」
「もっと強くなりたいんだもん!」
『この国で一番!』




ああ、そうなるといいね。
もうあれから何年も経ってしまったけれど
あなたたちは変わってない。

安心しました。




「あれから随分大きくなったね二人とも」
「でしょー?」
「俺、もう少しで総悟先生の身長抜けそう」
「馬鹿言えー10年早い」
「…ねえ銀時」
「ん?」
「十四郎」
「何です?」
「万事屋、やってみない?」
「真選組、入らないか?」

これは一つの賭け。
あの運命の。


「…ごめん先生、オレパス」
「上に同じく」

「トシが」
「銀時が」
『一緒なら話は別だけどー』



そう
それでいい





「言うと思ったよ!」
「まったくだ。ケツの青いガキのくせしやがって」
大丈夫だね、もう

先生ご飯食べに行きましょうよー
じゃあ僕よりお金持ちの沖田さんの奢りで食べに行こうか
焼肉!マヨも一緒に!
糖分!できればパフェ!
コラコラ何勝手に決めてるんですかィ!




ずーっと一緒だよ。







死ネタ別名花言葉シリーズ
スズラン:幸福・純潔・純愛・清らかな愛・繊細
勿忘草(ワスレナグサ:真実の愛・私を忘れないで

手向けの花と呼んでいいのかどうか
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